気ままな猫と暴走族の彼等
『うん、わかった。わざわざありがとう』
「いや、春樹が言いに行ったけど帰って来ないから見てこいって言われたんだよ」
「……あ」
優兄はいつも春兄のことで大変だな…と苦笑いしながら、顔を青ざめている春兄を見た。
「じゃあ言う事言ったし……春樹、行くぞ」
「……お、おう」
ビクビクとしながら優兄についていく春兄を見て、また苦笑いを溢してしまった。
そのままその場に立っていると、部屋から出た優兄と春兄が楽しそうに話している声が聞こえた。
なんだかんだいってやっぱり二人は仲がいいんだよ、と教えられているようで思わずクスッと笑ってしまった。
そんな仲良しの二人を追うようにして、わたしもお父さんがいるリビングに向かった。