気ままな猫と暴走族の彼等

『お父さん、話ってな……』

「萌愛、おはよう〜」

『……』

人の話を遮りながら抱きついてくる父親に苛立って直ぐに無理矢理引き剥がした。

「萌愛…冷たい……」

『それで話って何?』

悲しそうにしょぼんと落ち込む面倒くさい父親は無視をして要件を聞く。

すると突然ニコッと不気味な笑みを浮かべた父親に嫌な予感を感じて一歩下がった。




「萌愛には………黒雲高校に転校してもらう」





「「……は!?」」


『……へ?』

唐突な発言に驚きの声を先にあげたのは優兄と春兄だった。

まあ驚くのも当然、黒雲高校は優兄と春兄が通っている高校なのだから。

「ちょっと待てよ親父!萌愛を黒雲に入れるのは危険だ!」

「そうだ親父!何でよりによって黒雲なんだよ!」

そして物凄く焦りながら優兄と春兄が転校を止めるのには訳がある。


その理由はきっと黒雲高校が不良高校だから。
< 5 / 78 >

この作品をシェア

pagetop