my existence sense-神が人を愛す時-









「女性が大好きって........バロン、君って見掛けによらずに意外と不埒なんだね」



「なっ!
キルファさん、いや今のはそう言う意味ではなくて!」



「女性が大好きだなんて、俺なんかよりバロンお前の方がずっと女性関係の乱れがありそうじゃないか。
嫌だねぇ、自分のことを棚に上げて俺にとやかく言っちゃって」



「.........御願いですからちょっと貴方は黙って下さい!」





言葉を重ねれば重ねる程に誤解が深くなってきた。

ジーザスはからかいで言っているのが判るからまだいいのだが、キルファの場合は本当に心の底から信じてしまう可能性が大いにあるので放って置くのは危険である。
早急に誤解を解かねば、後々非常に面倒な事になる。


だがこれ以上この場で言葉を重ねたところでどんどん深みへとはまっていくような気がした。

.........。
これは一旦この話題から意識を完全に逸らさせて落ち着かせるのが賢明かもしれない。
そう判断したバロンは一呼吸置いて再び口を開いた。











「.........ごほんっ。
ところでキルファさん。
僕達をわざわざ此処に呼びつけた訳ですから何かお話があるのでは?」



「あ.......そうだった」




バロンの言葉にキルファはハッとする。


一度戻そうとしてまた再び大いに逸れた話の道筋がようやく正しい位置に戻りそうだ。

三人がこの場に会してどのくらい時間が経っただろう。
随分と遠回りしたものである。






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