my existence sense-神が人を愛す時-
..........。
そう思ってしまった瞬間にバロンの中にあった人より遥か上の位置に居たはずの神の存在がストンッと下へと落ちた。
神なんて、そんな大それたものではないのかもしれない。
ッ。
今まで生きてきた中で思うはずの無かったそんな考えが自然に涌き出てきた自分にゾクリと寒気を感じた。
「おい、どうなんだよバロン」
「.............言われてみれば何も間違っていないかもしれません」
気が付けばそう言っていた。
何か目には見えない踏み越えてはいけない一線を踏み越えてしまった気がしてハッとしたがもう遅い。
「そうでしょう?
よかった!君達ならきっと分かってくれると思っていたよ!」
前を向けばパァッと明るくなったキルファの嬉しそうな顔。
もう後には引けそうにない。
ッ。バロンは腹を括った。
「..........。
でもどうするんです?
神殺しだなんてすると言ってもそんな容易なものではないでしょう?」
「まぁ簡単ではないだろうね。
でももう同盟各国、各地域にはもう密使を飛ばして召集を掛けてあるんだ。
各地の先鋭がこの作戦の為にもう此方に向かっているはず。
それに加えて此方からの選りすぐりの人材を加えて特別編成の軍を結成する」
「おーおー、さすがはあの親父さんの息子!
よっ!仕事が早いねぇ!」
「...................いつもボケッとしているように見えてやることはやっているんですね.......」
「ん?何か言ったかい?」
「え.......あ、いえ!何でもありません!」
ふと口から溢れてしまった失礼な発言に一瞬気を悪くされたかと思った。
「あぁ、そう?
あ、それでね君達にはその召集された者達の纏め役―――この作戦の中心になって欲しくてね?
ジーザス、君には将軍を。バロン、君には僕やジーザスを補佐する副将軍を。
ノヴェリア王国の名の元に。その国王である僕キルファ=ノヴェリアの名の元に」
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