my existence sense-神が人を愛す時-
「僕達が.........僕達がそんな大任を?
他にももっと歳も武勇も重ねた相応しい武将達が居るでしょう?
それなのに僕等のような若輩者が―――」
「そうだぜ?
そんな面倒な役回り俺達に押し付けなくても其処ら辺の狸親父共に任せちまえばいい。
アイツラは脳内筋肉の戦馬鹿ばっかりだからそれはもう張り切って引き受けてくれると思うぜ?」
バロンの最もな言葉にジーザスの不謹慎な言葉が重なる。
「面倒って貴方.......。
それに彼等も仮にもこの今のノヴェリア王国の立役者達ですよ?そんな言い方は失礼でしょう?」
「おー何だよ?
お前も心の内じゃ面倒だって思ってんじゃねぇのか?猫被りやがって全く.......」
「そんなのじゃありません!
僕はただそんな大役が僕等のような者に務まるかという話をしているんです!
貴方の職務怠慢思考と一緒にしないで下さい!」
「職務怠慢思考とは言うねぇ。
..........まぁ俺達がどうこう言おうと最終的に決めんのはコイツだからなぁ、ほら一応俺達コイツの臣下だし?」
「一応って.......」
本当に対極な二人である。
だがしかしどちらかの性格に偏ってしまうよりは良いのかも知れない。
ジーザスのような者が二人でもバロンのような者が二人でも何の反応も生まれない。
二人のこの個性があるからこそ、若くして王となったキルファを上手く支える柱となり機能しているのだろう。
...........。
「僕は君達が適任だと思っている。
昔から居る他の武将達も確かにこの国に貢献してくれたけれど、正直もう彼等の考え方は古い。
この新しい時代―――新しい風を吹かせるには君達のような優秀で心から信頼出来る友の方が良い」
二人のいつも通りのやり取り。
それを微笑ましく見詰めてキルファはそう言った。
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