my existence sense-神が人を愛す時-
ッ。
「............そう言われてしまったら仕方がありませんね」
「ふぅ.......仕方ねぇな!
面倒だがやってやるよ?」
王と臣下。
そんな関係よりも前に三人は友。
照れも隠れもしないキルファのその言葉に二人は少し照れ臭そうにそれぞれ答えた。
答えは同じ。
ッ。
三人の視線が重なった瞬間、話は一つに纏まった。
「明日にでもこの国にも徴兵の御触れを出す。
兵を集って試験を行ってある程度力の有る者を選出する。
各国各地域の兵の数も合わせて軍勢は凡そ百五十万。
そこから更に優秀な人材を抜粋して君達と僕が予め声を掛けていた者達と合わせて軍全体の中枢となる部隊を結成するつもりだよ」
「百五十万って......それはまた物凄い数ですね」
「それだけ皆が人の世界への希望を持ってくれているということだよ」
話は具体化していく。
聞いたその瞬間は全く現実味の無かったその話がどんどんと現実味を帯びてくる。
「おいおいおい!
何だ、その僕が予め声を掛けていた者達ってのはよぉ?」
「あぁ、彼等とは近い内に顔を合わせる機会を設けるよ。
彼等は少し特別なんだ。どれもこの作戦に欠かせない重要な人材だよ。
詳しい話はその時にする」
「ふぅん、特別ねぇ。
まぁどっちでもいいけどよ。
で、俺達は何をすりゃ良い?ん?」
「あぁ、えぇっと.......まず徴兵の御触れで集まった者達を試験し選別する。
数が数だからね、何回かに分けてある程度優秀な者達に数を絞りたい。
君達にはその最終試験に立ち会ってもらうよ。
それまでは通常の執務を。
また試験の時期や状況は追って連絡するから」
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