my existence sense-神が人を愛す時-
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世界の何処かで誰かが笑う。
世界の何処かで誰かが泣く。

平和な時と不穏な時。
それが背中合わせで混在する世界の中で人と神も混在する。


折り重なる二つのその存在は全く違う対なる者で、本来ならば溶け合うことは無い。
混在すれども溶け合うことは決して無い。

両者はその色を変えること無く複雑に入り乱れるだけ。
絵の具のように溶け合い混ざり合い、互いに色を変えて一つになることは決して無い。




人は人。
神は神。

人はいつの時代でも神を崇め、神はいつの時代でも人を見守ってきた。
混在する二つの存在の間にはいつの時も越えられない壁が在った。

それは世界が創世された時から変わらない。
.......そう、たった一度。
あの時以外は。












「私達も、貴方と共に」






世界が女神の手から離れ一人歩きを始め、彼女は自らの存在理由を失い眠りについた。

半壊しボロボロになった世界。
一時、この世界から神が居なくなった時が在った。



神が居ない世界。
女神の加護を失い、人は女神に変わる縋りつく藁を捜した。

何かに縋らねば生きてはいけない。
それが人の哀れさであり性。


........。
だから人は打ち立てた。
女神を失った世界で、女神に変わる新しい神を。







五神。
神として打ち立てられたのは五人の赤子。

ジーナ。ネモフィラ。リヴァイア。サハラ。
そして―――エルドレ。

勿論、元々彼等は神では無い。
だがその存在は幾千の時を越えた今でも神としての存在が確立していた。







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