my existence sense-神が人を愛す時-











ッ。


そんなことを考えているといつの間にか時が過ぎ、また一層に夜が更け込んでいた。













「........ふぅ」



一つ息を落として窓から覗く漆黒の夜空に目を向ける。

静かな夜。
心の中に残る微かな不安。
そして覚悟と決意。

落とされた溜め息には様々な想いが入り交じる。






「もう寝ましょう」



ッ。
独り言を呟き視線を夜空から逸らす。

サッとカーテンを引き灯りを消すと先程まで目を向けていた夜空のように部屋は真っ暗になった。


そうなれば必然的に眠気が襲う。

部屋は真っ暗だが慣れた部屋の中なので何かにぶつかるようなことも無く寝台へと辿り着く。
........。
上等なマットに身体を沈ませ柔らかい毛布に包まれれば彼が眠りに落ちるまでにもう幾ばくも要らなかった。



彼が眠りに落ち小さく寝息を立てるその中で夜はただ静かに更けていった。







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