my existence sense-神が人を愛す時-
ーーー
ピチャリッ。
.......ピチャンッ。
何処からか水の滴る音がした。
湿気を帯びたジメジメとした空気。
日の光が当たらないせいか空気はひんやりと冷たい。
辺りは何の鮮やかさも無いゴツゴツとした岩の肌で火を灯さねば何も見えぬ暗闇。
今が昼であるのか夜であるのかすら分からない。
人の手が加えられた痕跡はある。
岩の壁には蝋燭を置くための窪みが一定の間隔を置いてあり、そこには芯が真っ黒になり燃え尽きた蝋燭の残骸。
道も舗装された形跡はあるが長年放置されたことによる風化であまり意味を成していない。
コツンッ。
今ではすっかり忘れ去られたそんな場所。
此処は近頃一つになった人の国の領土のとある場所。
世を流離う旅人ですら迷いでもしなければ通りすがらないような辺境の荒野。その地下深く。
何十年ぶりか、いや何百年ぶりかに人の足音が響く。
静寂すぎた空間に生の気配が戻る。
「へぇ.........すっごい穴場見付けたと思ったのに」
コツンッ。
「見掛け通りなぁんにも無いじゃない、此処」
そして響く人の声。
この静寂な空間に似つかわしくない緊張感の無い甲高い女の声。
ユラリッ。
その声を辿る。
するとそこには一筋の灯り。
「あーぁ、お宝の一つや二つあると思ったのになぁ」
灯りが暗い空間を照らし出してじんわりと照らし出す。
その灯りの真ん中には細く女性らしいシルエット。
スラリと伸びる細い肢体にふくよかな胸。
それらを全面に押し出すような露出の多い服装。
そのどれもがこの場所には似つかわしくない。
「煌めく宝石も無ければ金貨の一枚も転がってない........あぁあ、完全に外れね」
あるのは煌めきも輝きも無い石っころ。
こんなものでは一銭の価値も無い。
あぁ、つまらない。
つまらない、つまらない。
コツンッ。
その人は思わず近くに転がっていた小さな石ころを蹴飛ばした。
コロン..........ッ、ッ!
ピチャリッ。
.......ピチャンッ。
何処からか水の滴る音がした。
湿気を帯びたジメジメとした空気。
日の光が当たらないせいか空気はひんやりと冷たい。
辺りは何の鮮やかさも無いゴツゴツとした岩の肌で火を灯さねば何も見えぬ暗闇。
今が昼であるのか夜であるのかすら分からない。
人の手が加えられた痕跡はある。
岩の壁には蝋燭を置くための窪みが一定の間隔を置いてあり、そこには芯が真っ黒になり燃え尽きた蝋燭の残骸。
道も舗装された形跡はあるが長年放置されたことによる風化であまり意味を成していない。
コツンッ。
今ではすっかり忘れ去られたそんな場所。
此処は近頃一つになった人の国の領土のとある場所。
世を流離う旅人ですら迷いでもしなければ通りすがらないような辺境の荒野。その地下深く。
何十年ぶりか、いや何百年ぶりかに人の足音が響く。
静寂すぎた空間に生の気配が戻る。
「へぇ.........すっごい穴場見付けたと思ったのに」
コツンッ。
「見掛け通りなぁんにも無いじゃない、此処」
そして響く人の声。
この静寂な空間に似つかわしくない緊張感の無い甲高い女の声。
ユラリッ。
その声を辿る。
するとそこには一筋の灯り。
「あーぁ、お宝の一つや二つあると思ったのになぁ」
灯りが暗い空間を照らし出してじんわりと照らし出す。
その灯りの真ん中には細く女性らしいシルエット。
スラリと伸びる細い肢体にふくよかな胸。
それらを全面に押し出すような露出の多い服装。
そのどれもがこの場所には似つかわしくない。
「煌めく宝石も無ければ金貨の一枚も転がってない........あぁあ、完全に外れね」
あるのは煌めきも輝きも無い石っころ。
こんなものでは一銭の価値も無い。
あぁ、つまらない。
つまらない、つまらない。
コツンッ。
その人は思わず近くに転がっていた小さな石ころを蹴飛ばした。
コロン..........ッ、ッ!