my existence sense-神が人を愛す時-
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世界が静かに動き始めた。

それに全く気付くことの無い人。

だが人もこの世界の上に生きる宿命か、彼等なりに世界の動きを変えようとするが如く動き始める。






...........。
キイィインッ。

世界の外れの静けさとは裏腹に響き渡る甲高い金属音。
平穏と言う言葉には相反する戦の音。武器の音。



カラン―――ッ。









「止め。
勝者西方、傭兵ノウェル!」



甲高い金属音。
そして数秒後に聞こえた呆気ない乾いた音。
それから暫くの間を置いて何処か張り詰めた空間に落ち着き払った声が響く。






「.........」





そんな音と声を背景に繰り広げられる目の前の光景を整理する。

白く薄汚れた壁に囲まれた飾り気の無い質素な部屋。
広さは申し分なくあるが、部屋の中があまりに質素であるために何処か虚しさを感じる。


.........。
此処はノヴェリア王国が誇る闘技場。
軍事大国であるノヴェリアが先刻人の国を統一する前より在ったより優れた兵を教育養成するための施設。
闘技場というだけあってその用途は戦うだけで、薄汚れた壁には兵の鍛錬用の無数の武器が立て掛けている。
まるで華の無い空間だった。


戦争時はこの場所でこの国に仕える大勢の兵達が日々鍛錬を重ねていた。
戦争が追い付いてしまってからはめっきり静かになってしまったが、それでも兵達は此処で腕を磨いてきた。

.......。
だがどうも今日はそんな日常の様子とはまた違っていた。











「........以上で全ての試験を終了する。
合格者は及び配属部隊は追って発表をする。
それまで受験者は別室で待機だ、以上!」


「はっ!」




上から目線で声を張り上げるは軍服を身に纏った将校。

ある御触れを承けてある目的の為に集まった全国の猛者達がこの日このノヴェリアに集っていた。
人の国が一つに纏まってから始めての招集。
それぞれのノヴェリア王国配下の小国から一同に王都に集まる光景に国民達は何事かと騒ぎ出す。







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