my existence sense-神が人を愛す時-
初対面。
互いに自己紹介も済ませたところでキルファがそう締める。
今宵此処に会した七つの顔。
彼等がそう遠くない未来の命運を握っているということを人はまだ誰も知らない。
歩み出した先に在るのは彼等が理想とする人の支配する平和な世か。
それとも欲に飲み込まれ全てを失う絶望か。
「よっしゃ、何にも気にせず酒が飲めるこんな機会なんぞ滅多に無いからなー。
思う存分飲むぜぇ!」
「貴方はいつも何にも気にせず飲んでいるでしょう?それも公私問わず。
少しは自重して下さ............」
「美味い飯と美味い酒、そして世界が羨むようなこの美男な俺とそんな俺が居る世界に舞い降りた女神のようなノウェルちゃん............こりゃあ熱い夜になりそうだぜぇ、くぅう!」
「............」
「ジーザスさん、また貴方はそうやって............ほら見て下さい?ノウェルさんも呆れて言葉を失っているじゃありませんか。
申し訳ありません、ノウェルさん。
貴女のように可憐な女性を前にこの人はまた破廉恥な妄想を」
「分かってねぇなぁ、この猫被り阿呆似非紳士!
ノウェルちゃんは呆れてるんじゃなくて感動してるんだよ、あ?
大体な、熱い夜の意味を破廉恥と捉えた時点でお前も破廉恥だ!
このムッツリ猫被り似非紳士が!」
「なっ!
あ、あ、貴方と一緒にしないで下さい!
それに何度も言いますが僕は猫被りでも似非でもありませんっ!」
「あぁら♡バロン様ったら」
「!?
ア、アマレットさん!ご、ご、誤解です!
ジーザスの虚言です戯言です妄想ですっ!」
「フンッ、その焦り方が怪しい。
腑抜けの上にムッツリとは、最悪だな」
「!!?
メリルさん貴女まで何を言っているんですかっ!?
だ、大体ですね!こんな話子供が聞くような話じゃーーー」
「また懲りずに私を子供扱いするとはな............捌くぞ、腑抜け」