my existence sense-神が人を愛す時-
「ひっ!
昼間に廊下で会った時と言い今と言い......斬り捨てるだの捌くだの物騒過ぎますっ!
ほ、ほらカグラさんもこんなやり取りに呆れ返っていますよ?
ね、ねぇカグラさん?」
............。
「熱い夜............羨ましい」
「え?」
話の方向性はどうであれ何だかんだで宴は盛り上がりそうな予感。
取り敢えずもうこの段階で既にこの部隊でのバロンの弄られポジションは確立されたようである。
「アハハハハ、よかったぁ。皆仲良くなれそだねぇ♪」
「よ、良くありません!」
そんなこんなで今日も夜が老けていく。
真夜中。
外の静けさとは裏腹に盛り上がる宴。
酒も入りジーザスは上機嫌に誰彼構わずに絡みまくる。
アマレットとキルファは旧知の仲でもあるらしく昔話に花を咲かせ、見た目に寄らずお酒に弱いことの判明したカグラは部屋の隅の長椅子の上でダウン。
その横でメリルがコップに入ったミルクを片手にやれやれと言った様子でカグラに水を差し出す。
「............、あまり飲んでいらっしゃらないようですが気分でもお悪いですか?」
そんな宴の様子を一人優雅に葡萄酒を飲みながら賑やかな輪に溶け込みながらマイペースに宴を楽しんでいたバロンは、一人その輪から逃げるように外れてバルコニーで佇み夜空を見上げているノウェルの姿を見付けて声を掛けた。
部屋の中とは一変。
一歩バルコニーへと出るとそこは静寂な夜の空間で中で騒ぐ声が何処かとても遠くに聴こえた。
「............あんたは確か」
彼女が気配と声に気が付いて振り返る。
美しい黄金色の瞳にバロンが映る。
そして数秒沈黙した後にそう口を開いた。