【短】ぼくの名前は『空』~ママ、パパ ありがとう~
ママは目から何かがこぼれていた。
悲しそうに何粒もの涙をこぼしていた。
パパはなにか、小さなものを手にのせていた。
手のひらにちょうど乗るくらいのちっちゃなもの。
ぼくはそれに近寄った。
まだ出来上がってない体。
小さな小さな体。
それは紛れもなくぼくだった。
だって…ママとパパはその小さなものを見て…
「空」と何回も何回も呼んでいたから…