Melty kiss
パーティー会場(回想)―――
(あの子は・・・如月家の愛娘・・・)
ダンスの時間になり、僕は周りの女性たちをいつものように嘘も方便でかわそうと思っていると、バルコニーで一人佇む華恋を見つけた。
「踊らないんですか?」
僕は、次々と誘いを断っている華恋に声をかけた。彼女が時折見せる寂しそうな苦しそうな表情に考えるよりも先に行動をしていた。そんな自分に、自分でも内心驚いていた。
「はい。なんだかそんな気分になれなくて。私にとって、ここは場違いな気がするんです。」
「失礼します。」
僕は言葉と同時に華恋の手をとり、部屋の中央までエスコートして踊り始めた。