Melty kiss
「ちょっ、止めてください。私、慣れてなくて・・・踊れなくて・・・足踏んじゃいます!」
「大丈夫。僕を見て。僕に合わせて。それに、踏まれたって気にしないから。」
華恋は、自分が思っている以上に踊りもできていてほとんど完璧だった。
それでも、やっぱり時折思いつめたような表情は変わらなかった。
「わっ」
そんな華恋に僕は、わざとターンをさせた。
「何するんですか!」
「クスッやっとこっち向いた。」
「えっ?」
「始めに言ったけど、僕を見て。今は、余計なこと考えずに僕とのダンスに集中して楽しんでくれると嬉しいんだけど。」
その言葉に彼女は一瞬、目を見開いた。でも、そのあとは笑顔で僕を見てダンスを楽しんでくれた。