Melty kiss
笑顔でスマートにこなしたつもりなんだろうけど、強調された単語と外見にあふれ出す隠しきれない感情が華恋への気持ちを語っていた。
「いえ、とんでもありません。それに、同じ歳ですし、敬語じゃなくて構いませんよ。折角なので仲良くしましょう。名乗るのが遅くなってしまいましたね。僕は東堂優斗です。」
「そうだな。優斗。お前の噂は、よく耳にするよ。頭脳明晰で顔もいい。頭のキレる東堂期待の次期当主らしいな。」
「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、褒め過ぎかな。紘輝の噂も色々耳にするよ。最近耳にしたのは・・・婚約破棄だったかな?」
「あぁ、実際は向こう行って割とすぐだけだな」
華恋の様子をそっとう伺ってみたけど、あの反応を見る限りでは何も聞いていなかったんだろう。
(まったく・・・この兄弟は・・・)