Melty kiss

「こんばんは。遅くにごめんなさい。」


私は、あれから優斗へのメールを後にして客室に来ていた。


「いえ。大丈夫です。それより、お話って何ですか?」


「はい。今日はどうしても華恋さんに伝えておきたいことがあって。」


「何かあったんですか?」


「私、紘輝さんとは正式に婚約破棄になったのはご存知ですよね?」


「はい。」


「私も直ぐには立ち直れませんでしたけど、今度こそ幸せが手に入りそうなので、それをお伝えに」


「わぁ、新しい方とお付き合いされるんですか?おめでとうございます。」


「えぇ。実は、その方には、まだ彼女がいらして…でも近いうちに別れてくださるって。その…ただ大変申し上げにくいんですが私、その方と寝て…妊娠してしまったんです。」


「えぇ!?早く彼に話して、彼女と別れて貰わないと!」


「えぇ。こんなこと申し上げにくいのですが、華恋さん。藤堂さんと別れてくださいますか?」


(え…)


目に写るものが全て一気に色を失った。


「華恋さん?」





< 54 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop