Melty kiss
「こんばんは。遅くにごめんなさい。」
私は、あれから優斗へのメールを後にして客室に来ていた。
「いえ。大丈夫です。それより、お話って何ですか?」
「はい。今日はどうしても華恋さんに伝えておきたいことがあって。」
「何かあったんですか?」
「私、紘輝さんとは正式に婚約破棄になったのはご存知ですよね?」
「はい。」
「私も直ぐには立ち直れませんでしたけど、今度こそ幸せが手に入りそうなので、それをお伝えに」
「わぁ、新しい方とお付き合いされるんですか?おめでとうございます。」
「えぇ。実は、その方には、まだ彼女がいらして…でも近いうちに別れてくださるって。その…ただ大変申し上げにくいんですが私、その方と寝て…妊娠してしまったんです。」
「えぇ!?早く彼に話して、彼女と別れて貰わないと!」
「えぇ。こんなこと申し上げにくいのですが、華恋さん。藤堂さんと別れてくださいますか?」
(え…)
目に写るものが全て一気に色を失った。
「華恋さん?」