Melty kiss
私は、あれからすぐに部屋に戻った。
そして、受け入れられない現実を否定して欲しくて、すがるような気持ちで優斗に電話した。
「もしもし。華恋?」
「優斗」
自分でも驚くほど情けない声しか出なかった。
「華恋?どうかした?」
「あの…ね…」
いざ言葉にしようとすると怖くて仕方がない。
「大丈夫。ゆっくりでいいから」
まるで、さっきの話が嘘なのではないかと錯覚してしまいそうになるくらい、変わらない優斗の優しさに胸が締め付けられる。
(大丈夫。現実を受け入れなきゃ)
「あのね、優斗。私はもう大丈夫だよ」