Melty kiss
「実際にお話ししたことはないので、主観になってしまいますが、華恋や紘輝くんの言うような酷い方ではないと思います。ただ、気が強く、プライドの高い方だとは思います。そこが、誤解を招きやすいのではないでしょうか」
「あれでも、まだ良くなった方なんだが…」
「最初に出会ったのは、海だった。大雨のなか1人で遠くを見ていた。最初は、言葉もかえしてくれなければ、触れさせてもくれなかった。」
「彼女は、彼に逃げられたんだよ。しかも、妊娠していた。それが華恋だ。彼の相手が金持ちのお嬢さんで…その彼も遊ばれてただけらしく、そのお嬢さんは他の人と結婚したみたいだが。」
「それが、貴方の妻がお金や地位に執着する理由ですか?」
その言葉に如月総一郎は黙って頷いた。
「私は、その時から妻と自分に誓った。何があっても妻とお腹の子を守ると。」