Melty kiss
Melty kiss
私は藤村さんと屋上に来ていた。
「体調が優れないようでしたら、遠慮無く申してください。」
「はい。ありがとうございます。でも、温かくて気持ち良いですし大丈夫です。」
「そうですか」
「あの…」
「はい?」
「皆さん、とても良くしてくださいますし、毎日が楽しいんですけど、ふと思うんです。私は、こんなに幸せで良いのか…」
「優斗様は、何よりも貴女が笑顔で毎日を過ごされることを願っています。」
「私たちも貴女の笑顔やお人柄が大好きで、優斗様が大事にされるのが分かるんです。皆、貴女の幸せを願ってるんですよ。」
「でも、私は自分が許せないです。こんなに大切にしてくれてる自分の彼を忘れるのが…だって、他は覚えてるのに…」
「華恋様は本当にお優しい方です。きっと、色々抱えすぎて疲れたのでしょう。大丈夫です。きっと思い出しますよ」
「ありがとうございます。」
その日、優斗さんが病院に戻ってくることはなかった。