tender dragon Ⅱ

「あの女、もう喋れるようにもなってるらしいから、何か言われたんじゃねぇの?」

蒼空くんがまたイラついたように言った。

「つーか、あのバカ兄貴どうやって連れ戻す?」

相当イライラしてる。


「希龍が何であの子から離れらんねぇのか分かんねぇとどうしようもないだろ。」

葉太もなぜかイライラし始めた。


そんな不穏な空気を破ったのは、今までずっと黙って話を聞いていた春斗だった。


「その難波秀太ってやつに聞けばいいんじゃないですか?幼なじみなら分かるでしょ。」

「あっ、毎日お見舞い行ってるって言ってた!」

隣に座ってた女の子が。


「美波、連絡先分かるか?」

「うん、分かるよ。」

高校最後の大会が始まったばかりだし、今すぐにはメールも返ってこないだろう。


【会って聞きたいことがあります。時間があるときにメールしてください。】


「あたし、もう一回難波くんに会うね。」

あたしのその言葉に、全員が同じように頷いてくれた。

先伸ばしになってしまったけど、必ず希龍くんを助けるから、待っててね。

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