tender dragon Ⅱ

「一緒に帰ってきたんですか?」

「いや、たまたまそこで一緒になっただけだよ……………え?」

「うわっ、可愛い!」

春斗はビショビショのまま近寄ってきて、あたしの腕の中の子猫を見つめる。


「…葉太が見たら怒るなー。」

嬉しそうな春斗とは全く違う反応をしめす苦笑いの安田さん。

蒼空くんが言ってた通り、葉太は猫が苦手みたいだ。


―ガチャ…


「2人とも帰ってたんだ。」

拾ってきた本人はと言うと、またもや上半身裸で出てきてしまう鈍感っぷり。


「蒼空くん!」

「あ、ごめん。」

なんて言って希龍くんの部屋に入っていったかと思うと、勝手に彼の服を着て出てきた。


「もしかして、蒼空が拾ってきた?」

「うん、俺。」

あたしの腕の中の子猫を抱き上げると、ソファに座ってテレビを見始めた。

…何あの自由人。

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