tender dragon Ⅱ

「お前の家、猫ダメだよな?」

「うん、芽衣も希龍も猫アレルギーだし。」

「…葉太に怒られても知らないからな。」

「大丈夫。」

「はぁー…まぁ俺はいいけどさ。」

何だかんだ言って許してしまう安田さんはやっぱり心が広い大人なんだよね。


「俺もいいと思います!」

さっきから春斗は猫に興味深々で、触りたいみたいだけど、もう寝てしまったようだ。

蒼空くんの……いや、希龍くんの服の上で丸くなって気持ち良さそうに眠ってる。

甘ったるい匂いが良かったのかな。


「春斗、風邪引くから風呂入ってこい。」

「はーい。」


相変わらず雨は強く降っていて、時間が経つごとに激しくなっているようにも思えた。

…蒼空くん、拾ってきて正解だね。

「名前、何にするの?」

「あぁ、こいつの?」

「うん。」

「…春斗にでも決めてもらおうかな。」

まるで小さな子供を見つめるような目で子猫を見つめて、少し笑って優しく撫でていた。

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