tender dragon Ⅱ

――――――
―――――――…

「じゃあ小さいからチビな!」

「そのままだな。」

お風呂から上がった春斗が子猫の名前を"チビ"と任命した。

それに対して突っ込む安田さん。

確かに、そのままだわ。


「でも可愛いね、チビって。」

「ですよね!」

春斗の賑やかな声で起きてしまったチビは、さっきから蒼空くんが動く度に後ろをついて歩いてる。

ほんと、可愛くてしょうがない。


「そろそろ葉太帰ってくるぞ。」

「あー、そうっすね。どうします?」

「さすがにこんな雨の中放り出すほど鬼じゃないし、大丈夫だと思うけど…」

なんて言ってるときだった。


―ガチャ…


ドアが開いて、春斗と同じ……いや、春斗以上に濡れてる葉太が帰ってきた。

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