tender dragon Ⅱ

「お、噂をすれば。」

「は?何だよ噂って………何それ。」

蒼空くんのお腹で気持ち良さそうに丸まってるチビを指差して、眉間にシワを寄せてる。


「チビ。」

「は?」

さっきついたばかりの名前を葉太に教えたって、状況が全く分からないんだから納得するわけない。


「俺が拾ってきた。ここで飼うから。」

そんな軽い説明で…

「おい、ふざけんな。」

納得するわけないでしょ。

猫嫌いなんだもんね、葉太は。


「何?」

「お前の家で飼えばいいだろ。」

「無理。残念ながら、うちは芽衣も希龍も猫アレルギーだから。」

「いいじゃないですか葉太さん、こんなに可愛いんだし。」

すっかりチビを気に入ってしまった春斗まで葉太を説得し始める始末。

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