tender dragon Ⅱ
「猫みたいなのにね。」
「あー、それ分かります。希龍さん猫みたいですよね!」
あら、共感を得てる。
「そのときは俺がどうにかする。」
蒼空くんには何かいい考えがあるんだろう。
テレビを見ながら平然とした顔でそう言った。
「ほら、蒼空くんがどうにかしてくれるって。だからいいでしょ?」
名前までつけてしまった手前、今さら見捨てることなんて出来ない。
「……絶対俺の部屋に入れんなよ?」
「大丈夫っ、入れないから」
「じゃあまぁ…いいんじゃね?」
その様子を見ていた春斗が一言
「葉太さんって美波さんに甘いですよね。」
なんて言って笑ってた。
そうか。あたしは葉太に甘やかされてるんだ。
「バーカ、美波ちゃんに甘いのは俺もお前も葉太と対して変わんねぇよ。」
自らそんなことを言ってしまう安田さんはやっぱり、ここにいる誰よりも大人に見えた。