tender dragon Ⅱ
「…芽衣がいいなら、来てほしい。」
「…芽衣に言っとく。」
とうとう明日、全てが分かる。
希龍くんが帰ってこなくなって、もう3ヶ月目が来る。
…元気にしてるかな?
あたしのこと、忘れてないかな?
長い坂道を蒼空くんと並んで歩く。
迎えに来る理由は特にないけど、1人で寂しく帰るよりずっといい。
ゆっくり歩いてると、前から松葉杖をついてる女の子が来るのが見えた。
眠そうにあくびをしてる蒼空くんはその子に全く気づいていない。
……辛そうだな…
坂道だから、上るのが大変そうで。それに今日は暑いから余計に辛そうだった。
……あれ、あの子誰だっけ…
見覚えのある顔。
どこで見たのか思い出すのに時間がかかる。