tender dragon Ⅱ

――――――
―――――――…

2人で話がしたい、と言った彼女は蒼空くんに帰るように言った。

だけど蒼空くんがそんなに素直に帰るわけもなくて、さくら公園の外で待ってくれてる状態。


2人きりのさくら公園は、不気味なほどに静まり返っていた。


「秀太に何言うつもりですか。」

先に言葉を発したのは、やっぱりずっとあたしに敵意を向けたままの土屋由佳。


「何で会うこと知ってるの?」

「そんなのどうだっていいんです!」

難波くんに会うことを知ってた。

難波くんが言ったのかもしれないけど、彼の性格から考えて、きっとそれはないだろう。


「秀太に会って何言うつもりだったんですか!」

ここまで怒ってるのはどうして?

怒りたいのはあたしなのに。

何を言ったのか知らないけど、彼女は間違いなく希龍くんを縛り付けてる張本人。

< 126 / 198 >

この作品をシェア

pagetop