tender dragon Ⅱ
「希龍はあたしのこと好きだって言ってる…だから邪魔しないでよ…っ」
あたし、悪者みたい…
自殺未遂までした彼女から希龍くんを奪ってしまったら、どうなるんだろう。
今度こそ、本気で死んでしまうかもしれない。
だけど…
「…ごめんね、それは出来ない。」
最後に会ったときの彼の表情が、どうしても幸せそうには見えなかったから。
…あたしには、"助けて"と言ってるように見えたから。
「最初は希龍くんが考えてやってることなんだから仕方ないって思ってたけど…」
あのころのウジウジしたあたしとは違う。
「きっと無理してるから。」
まだあたしを睨み続ける土屋由佳の目には、涙が溜まってた。