tender dragon Ⅱ

「何それ…希龍が無理してあたしと一緒に居るんだって言いたいわけ!?」

言葉を選んで会話をするべきなのかもしれないけど、下手に出たら上手く丸め込まれてしまいそうだった。


「希龍が誰と一緒に居たいかなんて、あんたに分かんないでしょ!!」

「分かんないよ。分かんない……だけど、あなたと居て幸せなら、あんなに辛そうな顔するわけない!」


目に浮かぶ。

無理矢理笑顔を作る希龍くん。

気まぐれだった彼を縛り付けてるのは誰なのか、彼にあんなに辛そうな顔をさせてるのは誰なのか。


「ねぇ、分かるでしょ。」

希龍くんのことが本気で好きなら

「ずっと無理してるの。」

人一倍責任を感じやすい人なんだから、自殺未遂のことに責任を感じないはずないって。


……そのあと彼がどうするのか。

想像できたはず。

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