tender dragon Ⅱ
彼らは春斗の顔を見た途端に"ヤバイ"って顔をして帰っていった。
やっぱり春斗って有名人だ。
「油断しすぎですよ。」
「あ…ごめんね。」
感心してる場合じゃなかった。
「来ませんね、難波。」
「…もしかして帰ったのかな」
少しでも早く話を聞きたいのに。
それに、春斗とここにいるのは気まずい。
西高の制服を来てるし、龍泉の幹部だし、どこに行っても注目を集めないわけがない。
当然、あたしは女の子からの痛い視線もガンガンに浴びてるんだけど。
「でも、あたしたちここの学校が終わるより早く来たから、帰ってるわけないよね?」
「はい、多分いるはずですよ。」
進学校ってだけあって、あたしたちの学校よりも終わるのが遅い。そこが唯一の救いだった。
「遅いなぁ…」