tender dragon Ⅱ

「…川原、ほんとに俺からは何も話せないんだ。ほんとは会うのもダメなんだけど…」

やっぱり…

「あの子にそう言われたの?」

土屋由佳に。

下を向いていた難波くんが顔をあげた。

何で知ってるんだ、とでも言うかのような表情であたしを見つめる。


「…由佳に会ったことあんの?」

「あるよ。昨日あったばかり。あたしが宣戦布告したからムカついて難波くんに会うなって言ったんだろうけど。」

イライラしてきた。何であの子にそんなこと決められなきゃなんないの。


「難波くんは何であの子の言うこと聞くの?」

難波くんも希龍くんも彼女に何を言われたのか知らないけど、何で言うことを聞いてるんだろう。

「……話せないんだよ。」

……それさえも?

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