tender dragon Ⅱ

「伝わったこともあるかも。」

「伝わったことって…例えば?」

「美波がどれだけ希龍のこと好きか、とか。」

「そんなの難波くんに伝えてどうするの。」

難波くん興味ないって。


「心動かされるかもよ?」

「…そうなることを願ってる。」

「おー、願っとけ願っとけ。」


何でこんなにお気楽なんだろ。

もしかしたら真実が分からないままかもしれないのに、みんな落ち着いてるっていうか…

自信あり気な感じ?


「うわっ、蒼空こっち来んなよ。」

蒼空くんの後ろをチビがついて回るから、葉太は慌てて逃げていった。

首もとの鈴がチリン、となる。

チビによく似合う赤い首輪は、安田さんが仕事帰りに買ってきたものだった。

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