tender dragon Ⅱ
「…神岡、昨日倒れたんだ。今は入院してる。」
希龍くんが、入院…
倒れた?
あの希龍くんが?
あの人すっごく強いし、賢いから自分で考えて動けるんだよ。だから、倒れたりなんか…
「…ごめん、もっと早く話すべきだった。全部話そうって思ったのは、もちろん川原に協力したいってのもあったんだけど…」
難波くんの表情が、嘘じゃないと言ってる。
全部ほんとの話。
……限界なんてとっくに超えてたんだ…
「由佳を止めてやらなきゃならないと思って。」
やっぱりあのとき引き留めれば良かった。
彼がおかしいと分かったんだから、あのとき助けてあげるべきだった。
「多分もう、あいつを止めてやれるのは俺ぐらいしかいないから。」
全部終わらせる、だから行こう。
難波くんのその言葉に、強く強く頷いた。