tender dragon Ⅱ
「会うなって言ったじゃない!!」
同じ病室だった患者さんは、気を遣うように外に出ていってしまった。
「秀太はあたしよりもその女が大事なの!?」
泣きそうだ。
この子、すごく悲しそう。
「由佳…」
「あたしが死んでもいいの!?」
こんなこと、希龍くんが聞いたら悲しむよ。
「そんなわけないだろ!!」
難波くんも悲しそうだった。
どうしてこんなことになってしまったんだ、そう思ってるに決まってる。
「だったら何で会うのっ?」
何も言えないでいた。
「…分かってるだろ。」
彼女の目から、ポタリと涙がこぼれ落ちた。
きっと気づいてる。