tender dragon Ⅱ
「神岡、もう限界なんだよ。」
「…何言ってんの…っ」
もうこれ以上、難波くんを…希龍くんを悲しませないで。
「…神岡にも俺に言ったことと同じこと言ってたんだろ?」
驚いたように難波くんを見て、すぐにうつ向いてしまった。
それが何よりの証拠。
「あいつがどんなやつか、俺よりも由佳の方が分かってる。だったら、神岡がどうするか予想できたよな?」
横に首を振る。
「知らない…っ」
いつも優しい難波くんが怒ってる。
でもそれはきっと、分かってほしいから。
「…由佳」
「あたしのこと好きだって言ったもん!!」
布団をギュッと握りしめて難波くんを見つめる彼女は、あたしが思っているよりもずっとずっと幼かった。
本気で好きなんだ。