tender dragon Ⅱ

「…無理しすぎだよ。」

傾いた体は誰かに支えられて、優しい声と共に体が宙に浮く。


難波くん?

そっと目を開ける。


「難波、由佳のこと頼む。」

「あ…あぁ。」

「希龍…っ」

土屋由佳が希龍くんを呼ぶ。

状況が把握できない。


「あたし死んじゃうかもしれないよ…っ?」

泣きそうな声が耳に届いた。

胸が締め付けられる。だけど希龍くんは…


「由佳はそんなことしないよ。」

なんて、優しく笑って。

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