tender dragon Ⅱ

――――――
―――――――…

あたしの大好きな甘い匂い。

コツン、コツンと足音が聞こえる。

あれ、ここどこだっけ?


フワフワと揺れてる感覚に、肌に触れる人の暖かさ。生ぬるい空気を感じた。

「ん…」


―ガチャ…


「鍵閉めないと危ないよ。」

「え…?」

突然聞こえたその声に、意識が段々とハッキリしてきた。

目を開けると、目の前には見慣れた部屋と…


「お邪魔します。」

希龍くんの顔があった。


「えっ!何で!」

「ごめん、美波寝てたから」

お姫様だっこをしたままここまで?

そう考えると何だか急に恥ずかしくなって…

< 174 / 198 >

この作品をシェア

pagetop