tender dragon Ⅱ
約束だもんね。
暖かい手を、あたしもギュッと握り返した。
「じゃあゆっくり休んで、早く治して。」
「もう行くの…?」
こんなことを言ってしまうのは、きっと熱があるせい。
「美波が寝るまでここにいるよ」
そう言うとベッドの傍に座って、あたしの額に手を当てる。
希龍くんの手よりも暖かいあたしの額には、それは心地いい体温だった。
「ねぇ、希龍くん…」
目を閉じて考えた。
みんながどうしてあそこまでして希龍くんを探してくれたのか。
…あたしが気持ちを伝えるためだよ。
「あたしね…」
今にも寝てしまいそうだった。
目を開けると、あたしを見つめる綺麗な瞳と目があった。
「希龍くんのこと、好きだよ…」
記憶が途切れたのは、それを言ったすぐあとのことだった…