tender dragon Ⅱ
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「みーなみっ」
「あ、ちょっと待ってっ」
窓際の一番後ろ。あたしの席は授業中に集中できない席ナンバーワンだと思う。
早々と帰り支度を済ませた芽衣は、笑顔であたしの席まで駆け寄ってくる。
ボーッとしてたあたしは、もちろん準備なんて終わってるわけない。
「いいよ、ゆっくりで」
窓の外を眺めながら言った。
蒸し暑い時期特有の生ぬるい空気が、窓から入ってくる。
梅雨が明けようとしていた。
もうすぐ夏がくる。
「ん?」
「何?どうしたの?」
窓の外を見た芽衣が、言葉を漏らした。