tender dragon Ⅱ
「何でもない!」
慌てたようにそう言ってるけど、怪しすぎて嘘にしか聞こえない。
「えー、何があったの?」
「内緒!」
窓の外を覗こうとすると、芽衣に遮られて見えなくなった。
……気になる。
「見せてよーっ」
「だーめっ、後でね」
カーテンまで閉められた。
そして芽衣は何を思ったのか、あたしの肩を掴んで椅子に座らせた。
「芽衣?」
自分の鞄の中をゴソゴソと探ったかと思うと、ポーチを取り出した。
「美波っ、ちょっとごめんね」
「え?」