tender dragon Ⅱ

ポーチの中からは、マスカラやチークやグロスやアイシャドウ……メイク道具がたくさん出てきた。

女の子らしい持ち物だけど、何で?

「ちょっ、芽衣っ?」

学校に来るときはほぼスッピンに近い状態。

もちろん、今だって。

あたしの鞄の中にメイク道具なんて物は入ってない。


「ちょっとだけだから」

芽衣はニコッと笑うと、慣れた手つきであたしの顔にメイクをしていく。

マスカラなんてつけたこともない。

グロスなんてもっての他。


頬にピンクのチークをつけられて、マスカラもグロスもアイシャドウも。

< 185 / 198 >

この作品をシェア

pagetop