tender dragon Ⅱ
「美波っ、行くよ!」
彼氏なんていない。
そう言おうとしたのに、芽衣に手を引かれたから言えなかった。
みんな誤解しちゃうよね。
「あたし芽衣とデートするの?」
「んー、どうだろうねっ」
芽衣はいったい何を考えてるんだろう。
メイクして、髪型まで整えて。
クラスメートに見せたかったわけじゃなさそうだし、何であたしだけ?
「美波が一番可愛いからね。」
「えっ、急にどうしたの?」
急にそんなこと言うから、芽衣は女の子なのに照れてしまった。
靴に履き替えながら、笑顔を見せる。
「可愛いよ。」