tender dragon Ⅱ

いつか見た人だかり。

半分以上が女の子だった。

それが何を意味してるのか、あたしにも芽衣にも分かる。


「頑張れっ、美波!」

笑顔で手を振る芽衣に頷いて、走り出した。


きっと彼がいる。

あたしの席からは、ちょうど校門が見える。

窓から見えたのは、彼だったんだ。


女の子たちは少し興奮気味に、門の近くに立ってる人を見て騒いでる。

無理もない。


みんな"金龍"を知ってるんだよ。

だって、龍泉のトップだもん。

西高の制服だって着てるだろうし、きっと大きなバイクも近くにある。

綺麗な金髪だって、目立つに決まってる。

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