tender dragon Ⅱ

…誰よりも魅力的な人だもん。


話しかけようか迷ってる女の子たちを掻き分けて、やっと、近くまで来れた。

同じ制服を着た女の子はたくさんいるのに、すぐに気づいて笑いかけてくれる。

「希龍くん…」

「…久しぶり」

あたしの頭を撫でる手が暖かい。

近づくと香る甘い匂い。

あたしの大好きな彼が、ここにいる。


「やっぱり美波が一番可愛いよ」

「えっ!」

芽衣が言ったことと同じことを言う。

だけど、芽衣が言うのと希龍くんが言うのとじゃ意味が全く違うんだよ。

爆弾発言だからね。


「…全部、終わったよ。」

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