tender dragon Ⅱ
"全部"
土屋由佳に許してもらえたんだ。
きっと今、あの子の傍には難波くんがいる。
優しい彼が支えてるんだろう。
「俺のために頑張ってくれたんでしょ?」
「何で…」
「葉太に聞いたんだ」
本人に知られると何だか恥ずかしくなってしまって、希龍くんの顔を見れない。
…あ、そうだ。
あの日、やっぱりあたしは希龍くんに気持ちを伝えたのかな?
この様子だと、あれは夢?
「はは、そんなに照れなくても」
「いや…何か…」
「嬉しかったよ。」
こんな風に言ってくれるんだから、やっぱりこの人を助けて良かったんだと改めて思う。