tender dragon Ⅱ
希龍くんからの言葉が何よりも嬉しい。
「俺、美波と会えてよかった。」
まっすぐあたしだけを見つめる。
周りの子が騒いでるのなんて、全然気にならなかった。
彼の目にあたしだけが写ってることがこんなにも嬉しいなんて、知らなかった。
「聞いてほしいことがある。」
「…うん」
約束、だよね。
数ヶ月まえにした約束。
ここまでくるのに時間がかかった。
何度傷ついただろう。
何度泣いただろう。
もう嫌だ、なんて思っても、結局気持ちは変わらないままだった。
それは今も同じ。
目の前にいる彼が好き。
その気持ちなら誰にも負けない。