tender dragon Ⅱ
あたしよりも先に、周りにいた女の子たちが騒ぎ出す。
……というか、悲鳴?
返事なんて決まってる。
あたしの声なんて、きっと女の子たちの大きな声にかき消される。
だから希龍くんに近づいて…
ギューッと抱きつく。
背伸びして、耳元で言った。
「あたしも、好きです」
誰にも聞こえないように、希龍くんだけに聞こえるように、小さな声で。
背中に、あたしよりも大きな手が回った。
ギュッと抱き締められる。
葉太より細いくせに、ちゃんとついた筋肉。意外とゴツゴツした指。あたしを軽々と抱き上げる腕。
ちゃんと、男の子だ。
少し離れると、至近距離で目が合った。