tender dragon Ⅱ
似ているキミ
「……どうなってんの。」
「どうしたの、美波」
「だって…!」
隣で心配そうにあたしを見つめる芽衣の目には、あの校門の人だかりが見えないのだろうか。
3日前には春斗が来て、一昨日と昨日は何故かタケくんが2日続けて来た。そして今日また誰かが来てる。
「あれ見てよっ」
「あぁ、また誰か来てるのね。」
「今日はいったい誰!?」
人だかりを見れば分かる。
ここ3日間同じような状況だったから慣れた。きっと、みんなに注目されるような人があそこにいる。
注目されるような人ってことは、やっぱり"西高の制服"を来ているんだろう。
遼太くんじゃなかったら、確実にあたしに会いに来た誰かなんだと思う。
「毎日毎日何なんだろうね。」
「芽衣にも分かんないの?」
「あたしは龍泉のことには首突っ込まないようにしてるから、全然。」
芽衣を迎えに来た遼太くんだといいけど。
3日も続けば何となく分かる。あれは遼太くんじゃなく、別の龍泉の人間なんだろう。