tender dragon Ⅱ
「何それ。」
「頼まれてここに来てるんじゃないの?」
「は?んなわけねぇだろ。」
芽衣も蒼空くんもわけが分からないというような顔をしている。
あたしもわけが分からない。
3日前に春斗が来たのも、一昨日と昨日にタケくんが来たのも、今蒼空くんが来てるのも偶然なの?
………まさか、それはないでしょ。
「俺は美波に話があって来ただけ。」
「あたしに?」
「…じゃあ、あたし帰るけど、ちゃんと美波のこと家まで送ってよ?」
「えっ、芽衣帰るの?」
「あたしがいない方がいいんでしょ、蒼空」
「分かってんじゃん。」
あたしのために染めてくれた髪。
逃げ切るためだったけど、今では黒髪の蒼空くんの方がいいと思ってる。
どうしてこんなに似てるんだろう。
やだなぁ、もう。だから会いたくなかったのに。思い出したくなかったから。
「人多いから、移動しよう。」